近年は脳科学が劇的に進歩したため
近年は脳科学が劇的に進歩したため、精神医学も脳による説明を求められるようになったが、精神医学が経験則や現象学的な考えから成り立っている上、脳科学自体が発展途上にあるという事情もあり、未だ説明が十分でない。精神分析の用語には脳科学的な妥当性を持つものは無く、無理に認知心理学などの用語に置き換える場合もあるが、それも不可能であるケースが多い。
1950年代から精神分析では脳精神医学との見地を統合した精神分析的理解を提示している。そこでは特にリビドー論=本能欲求論が否定されており、脳においては電気信号を発信するのみでエネルギーは移動しないとしている。また意識=思考も同意語ではなく、フロイトの取り上げた1900年代の様々な生物学的論文の内容はかなり現在では否定的に見られている。そのため脳科学などの実験心理学的立場からすると、フロイトの理論―心的構造論やリビドー理論はほぼ仮説であり、検証不可能なものとして理解されている。
精神分析を医学以外の分野に応用した際に精神分析の誤りが露呈してしまう事がある。
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例えばフロイト自身が『トーテムとタブー』という人類学の研究書を書いたが、リヴァース、ボアズ、クローバー、マリノフスキー、シュミット、そしてレヴィ=ストロースといった人類学者達はこれを馬鹿げてると公言してはばからなかったし、権威ある宗教学者エリアーデによると、この本は研究書というよりも「手におえないゴシップ小説」で、書かれている事も「気違いじみた仮説」にすぎないと断じた。 (『オカルティズム・魔術・文化流行』、ミルチア・エリアーデ)。